生産地
Farm
みずほファーム
福岡県うきは市
親子で取り組む新時代の米作り
「うきは」全体のブランド化を目指す
筑後川上流域に位置する筑後平野が広がるうきは市。福岡県の奥座敷、耳納連山の湧水と筑後川の豊かな水流があり、昔から米処として栄えてきた地域である。近年は市ぐるみで取り組まれている農産物や加工品などのブランド化も注目されているこの土地で、年々規模を拡大しながら魅力的な米作りを続けているのが、ここ「みずほファーム」だ。
商学で培った学びや人脈が
「みずほフォーム」の事業拡大と支えに
米作り農家として立ち上げてからは、私(父・好人さん)で3代目となりますが、先祖代々の土地で、ずっと農業をしてきた家系です。とはいえ、私が大学に進学する頃はまだ田んぼは4〜5町くらいの規模でしたので、私は「庭を作るのも面白そうだな」と造園科に進学しました。卒業後は外で働きながら農繁期は手伝ったりしていましたが、結婚を機に就農しました。
私は子どもの頃から、父に「長男は石井家の後を継ぐものだ」と言われ続けて育ってきたので、逆に自分の息子達には「好きな道を進んで欲しい」と伝えていました。でも、長男(康太さん)は「家を継ぐ」と言ってくれました。そこで進学先に選んだのは、農業系の大学ではなく、商学部経営学科。米作りは周りの人から学べるから、より事業を拡大させるために販売や経営を学ぶ道を選びました。息子のこの選択と、そこで培った学びや人脈が、ずっと「みずほファーム」を支え続けてくれています。
石井家から「みずほファーム」
として法人化へ
平成25年に農業法人化。市やJAなどからの勧めもあり、うきは市での法人化第一号として立ち上げました。さまざまな補助事業を受けやすくなったり、従業員の雇用もしやすくなったりと、事業を拡大する上でのメリットも大きいです。
農業人口の減少は深刻化
田んぼが荒れないように
耕作放棄地を引き受ける
他の地域でも同じだ状況と思いますが、米処として有名なここ、うきは市でも、離農する農家が増えています。兼業で農家をする家もほとんどなくなって、農業人口の減少は深刻です。田んぼは1度荒れたら元に戻すのは大変ですから、耕作放棄地を引き受けて年々拡大しています。特にこの10年でとても増えました。現在は米35ha、麦66ha、大豆15haほどの規模です。その際、土地を管理する県の方にお願いして、小さい田んぼ同士、畔を切ってくっつけて広い田んぼにし、機械による効率的な農作業がしやすい環境に整えてもらっています。
ニーズに合わせた多彩な米作り
全てに共通したこだわり
米作りのこだわりは、ニーズに合わせた多彩な米作りを行っている点だと思います。我々の土地は、川に近い砂地と粘土質のちょうど真ん中あたりに位置する、条件の良い場所にあります。その中で、例えば大量に卸す必要がある業者さん向けには、効率良く収量をたくさん確保できる肥料や農法を使ったり、ヒノヒカリをブランド米として出すためには、堆肥を使って収量は下がっても質にこだわる農法を取り入れたりと、ニーズに直結する栽培を多角的に行っています。特に手間を掛けているのは、減農薬栽培米です。以前、アトピー患者の療養所に納める米のオーダーが入ったことから、限りなく無農薬に近い減農薬栽培に取り組み始めました。うきは市の養豚農家から出た豚糞堆肥を使って栽培するなど地域循環農法を取り入れ、現在は5ha程の規模で栽培しています。
いずれにしても、安心安全、そして味にこだわり、かつなるべく高効率化した米作り、これは全てに共通したこだわりです。
品質の高い米作りと経営戦略で
「うきはブランド」の存在価値
を高ていきたい
消費者の好みに合ったもの、そして安心安全なものを、実直に作り続けたいです。どのようなオーダーが入っても即座に対応できる存在でありたいですね。その上で、地域のブランド化も図っていきたいと思っています。地域の農家さんと協働して高い品質の米作りに取り組み、「うきはブランド」として存在価値を高めていきたいです。
今、当社で作っている減農薬米「UKIHA RICE」は、そのための第一歩。地元のデザイナーにお願いしたパッケージデザインにも注目いただいています。確かな品質の米作りに加え、息子が学んだ経営目線での販売戦略や人脈を生かして、うきは市だからこそできる米作り、農作物作りの魅力を広げて行きたいですね。
充実した設備と確かな評価
フットワークの軽さはカネガエの良さ
カネガエさんとは紹介で知り合い、10年ほど前から取引させて頂いています。よい米をしっかり評価して買ってくれる、信頼できる会社です。自社で倉庫を持っているため、収穫した米をすぐに取りに来てくれるフットワークの軽さもありがたいですね。当社はライスセンターも運営しており、刈り取り期には周辺農家さんのお米も集まってくるので、本当に助かります。カネガエさんの会社も何度も訪問して、検査場や倉庫を見学させていただき、その施設設備の素晴らしさも実感しています。