生産地

Farm

城 原

大分県竹田市

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江戸時代から続く「米蔵」地帯
土を肥やし、旨い米を追求し続ける

大分県竹田市の「道の駅 竹田」周辺に広がる城原(きばる)地区。山あいには、江戸時代前期に整備されたという城原水路が久住川から引かれており、その周りに昔ながらの棚田が広がっている。ここで農業を営む米農家約80人による「城原地区生産組合」で作られるお米の品質の高さと風味の良さが、今、話題となっている。

美味しいお米の生産地として
今、注目を集める城原(きばる)地区

このあたりは、もともと江戸時代、豊後最大の7万石を誇った岡藩のお殿様が、藩の“米蔵”として水田を整備した地域だそうです。城原水路が整備されたのもその頃。隣に米納(よない)という地区名があるのですが、これも当時米作が盛んだったことが由来ではないかと思っています。以来450年以上、水稲と畜産がこの地域の主な産業です。阿蘇・くじゅう連山から流れる久住川から水路を引いている棚田なので、美味しい米が採れる条件は十分な場所です。

地区全体がより質の高い
米作りにこだわり続け生まれた
一大ブランド「城原産」のお米

「城原地区生産組合」では、地域が一体となり、より質の高い米作りに取り組んでいます。その大きなきっかけとなったのは、約30年前のこと。ある大手飲食店チェーンの社長さんが、自社で出す美味しいお米を探して回られており、「竹田の米が美味しい」との噂を聞かれて、ここ竹田市城原地区に来られました。田んぼを見て米作りについて尋ねられたので、私は「水がキレイで美味しいのも大事ですが、土を肥えさせないと旨い米はできない」と熱弁しました。

それが理由だったのか、「城原地区の米を使いたい」とのオーダーをいただいたのです。しかし、とても個人で請け負える量ではなかったので、「地区全体でやろう」と生産組合を発足しました。当時で組合員は150名ほど。地区全体の米を美味しくして「城原産」が米の一大ブランドになることを目指して取り組みました。味はもちろん、米の網目も0.85と大き目にこだわり、甘さ・風味・粒の大きさと全ての質が高い米作りにこだわり続けています。

半世紀以上にわたり
自然の力に沿った形を模索
毎年が研究と学びの繰り返し

「どうすれば土が肥えるか」ということを追求しこだわり続けています。1964年の東京オリンピックがあった頃に、東京で全国の米農家が集まって勉強会が開かれ、その大分県代表として出席しました。その際にも、「土に有機物を入れて肥やすこと」について発表しました。
できれば、自然の力に沿った形で入れたい。半世紀以上にわたって、ずっとその方法を模索し続けています。例えば代掻きをする直前まで、田に草が伸びている状態を保って土着菌をなるべく留めたり、レンゲをまいて土にすき込んだり。本当に毎年が研究の繰り返しです。

「麻生さんところは、また変わった方法をしている」とよく言われます。今は化学肥料から有機栽培へ完全に移したいと、一層力を入れているところです。先日は、有機農法を取り入れられている熊本県の柑橘農家さんのところへ勉強にいきました。そこで得た知識を得て今、行っているのが、代掻きの前に土を荒く起こして水を張ってボコボコ、ドロドロの状態でいっとき置いておく方法です。空気や水を土の中に良く通してバクテリアを育てるのです。この方法の場合、田植えの際に家の間隔を広めにして稲の間に風が通るようにしないと、1本1本がしっかり育たないということもあります。手間暇がかかり、普通の作り方より反収は減るかもしれませんが、それで美味しい米になるのなら手間も時間も惜しくはありません。

自身の行動を示し
美味しい米作りのため
地区全体を盛り上げていきたい

有機農法へと舵を切りながら、かつ一袋でも多く、美味しいお米を作るために、これからもいろんな方法を試していきたいです。城原地区は中山間地の棚田なので、平地よりも田んぼの統合が難しく、耕作放棄地の増加や後継者不足が課題です。とはいえ今、80名ほどの組合員がいて、皆、それぞれ自分の作り方に誇りを持って作っています。その上で、より皆の気持ちを盛り上げて、地区全体でより良い米作りができるよう励んでいきたいですね。ですので、私は誰よりもたくさんのことを試して、自身の行動で示して組合を引っ張っていきたいと思います。

質の高い米の価値への理解と
自ら足を運び生産地を大切にする会社

カネガエのことはだいぶ昔から知っていましたが、実際に米の取引を始めたのはここ10年ほどだと思います。「美味しいお米を取り扱いたい」と訪問してくれたのがきっかけだったと思います。美味しく質の高い米の価値を分かってもらえて、「城原」の名前を大事にしてくれるのがありがたいですね。

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